2026年7月9日 — 株式会社OZ. 編集部
「パートナーシップ構築宣言」10万社突破|名古屋の中小企業が価格交渉に使える国のお墨付き
原材料費や人件費が上がっているのに、取引先に値上げを言い出せない——東海地方の製造業・下請け企業からよく聞くお悩みです。経済産業省は2026年7月6日時点で、取引の適正化を約束する「パートナーシップ構築宣言」の宣言企業数が10万社に到達したと発表しました。自動車産業のサプライチェーンが集積する名古屋・愛知にとって、この制度は「知っているかどうか」で価格交渉の進めやすさが変わる、実務的な武器になり得ます。
何が起きたのか:発注側企業の「約束」が10万社に
経済産業省の発表によると、「パートナーシップ構築宣言」を公表した企業数が、2026年7月6日時点で10万社に到達しました。この宣言は、大企業や中堅企業が「発注する側」の立場で、サプライチェーン全体の付加価値向上と、下請け企業との共存共栄を目指すことを、代表権のある経営者の名前で公表する取り組みです。2020年7月に運用が始まって以来、原材料費・エネルギーコスト・労務費の上昇分を適正に価格転嫁すること、下請代金の支払いを現金で行うことなどが宣言内容に盛り込まれており、政府はこれを「取引適正化」の柱の一つとして位置づけています。中小企業庁が実施した受注側企業への調査では、宣言企業と取引している下請け企業の方が、そうでない企業と比べて価格交渉・価格転嫁への対応が良好だったとする結果も示されています。詳細な宣言内容や最新の宣言企業一覧は、必ず経済産業省・中小企業庁の公式サイトでご確認ください。
名古屋・愛知の中小企業に「関係ある?」に答える
東海地方は自動車産業を中心に、下請け・孫請けとして大企業のサプライチェーンに組み込まれている中小企業が全国でも特に多い地域です。「取引先に値上げを相談したいけれど、関係が悪くなるのが怖い」という声は、OZ.がお客様と話す中でも本当によく耳にします。ここで知っておきたいのは、自社の主要取引先がこのパートナーシップ構築宣言を公表しているかどうかです。宣言している企業は、価格転嫁の協議に応じることを国に対して約束している立場にあります。つまり「値上げのお願いをするのは気まずい」ではなく「宣言に基づいて、協議のテーブルにつかせてもらう」という進め方ができる可能性があるということです。取引先の宣言状況は、経済産業省が公開している宣言企業の一覧サイトで検索できます。
OZ.からのアドバイス:交渉の前に「事実」を揃える
とはいえ、宣言があるからといって、値上げが自動的に通るわけではありません。以前の記事「「また値上げ?」7月1日の携帯料金改定で、名古屋の法人携帯担当者が今週確認すべき3つのこと」でもお伝えしたとおり、コスト上昇はまず「見える化」することが交渉の出発点になります。通信費や人件費、クラウドサービスの利用料といった固定費がどれだけ上がっているのかを具体的な数字で示せる状態にしておくと、価格転嫁の相談は格段に進めやすくなります。パートナーシップ構築宣言という「国のお墨付き」がある取引先であればなおさら、感覚的な「値上げしたい」ではなく、根拠を持った協議として臨むことができるはずです。自社が発注する側の立場であれば、宣言を検討すること自体も、取引先からの信頼につながる一歩になります。
価格交渉に向けた3ステップ
- 01 主要取引先の宣言状況を確認する 経済産業省の宣言企業一覧サイトで、自社の主要な取引先が宣言済みかどうかを検索してみます。
- 02 自社のコスト上昇を数字で見える化する 通信費・人件費・原材料費など、上昇している固定費を一覧化し、交渉の根拠として使えるようにします。
- 03 「協議の場」を設けてもらえるよう相談する 宣言の内容を踏まえ、価格転嫁について協議したい旨を、担当者・窓口に率直に伝えてみます。
まとめ:知っているだけで、交渉の土俵が変わる
パートナーシップ構築宣言が10万社に到達したというニュースは、一見すると自社に直接関係のない制度の話に思えるかもしれません。しかし、下請け企業として大企業と取引する機会が多い東海地方の中小企業にとっては、価格交渉の「入り口」を後押ししてくれる材料になり得ます。まずは自社の主要取引先が宣言しているかどうかを確認するところから始めてみてはいかがでしょうか。制度の詳細・最新の宣言企業一覧は、必ず経済産業省・中小企業庁の公式サイトでご確認ください。
「うちの通信費・IT費用、いくら上がっている?」をOZ.が一緒に見える化します
OZ.では、名古屋・愛知の中小企業向けに、法人携帯の通信費や業務システムの費用を棚卸しし、コスト構造を見える化するご支援をしています。取引先との価格交渉の材料づくりからでも構いません。まずはお気軽にご相談ください。