2026年10月25日 — 石川(株式会社OZ.)
AIで既存システムを改修する前に|名古屋の中小企業が整える3つの土台

NTTは10月23日、仕様書・設計書・コード・テストの関係を解析し、既存システムを生成AIが扱いやすい状態へ整える技術を発表しました。名古屋・愛知の中小企業がすぐ同じ技術を導入する必要はありませんが、AIに改修を相談する前に、現在の資料と実装の食い違いを把握する視点は明日から役立ちます。
既存システムでは「資料・コード・テスト」のずれが壁になる
長く使う業務システムは、改修を重ねるうちに設計書が古くなったり、変更後のテストが不足したりします。生成AIに資料だけを渡しても、実際の処理や例外条件と食い違えば、提案をそのまま採用できません。
NTTは仕様・設計・コードの関係を構造化し、不整合やテスト不足を見つける技術を紹介しています。予備実験では、サンプルアプリの設計書に入れた誤り41件のうち、提案手法が33件(80%)、従来の関連資料検索型手法(RAG)が11件(27%)を検出しました。これは限定した予備実験の結果で、一般の業務システムで同じ成果を保証するものではありません。AIに改修を任せる前に、資料・実装・テストの関係を人が確認することが出発点です。
名古屋の中小企業が改修前に整えたい3つの土台
資料・実装・テストの対応をそろえる
1. 仕様書に担当者と更新日を付ける
対象機能の設計書や操作手順を集め、誰が確認した資料か、いつ実装と照らしたかを記録します。資料が見つからない部分や判断が分かれる条件には印を付け、AIにも確定情報として扱わせないようにします。
2. 仕様と実装の対応を小さく確かめる
一度に全システムを読み解くのではなく、問い合わせ受付や帳票出力など、変更予定の一機能を選びます。入力から出力までの流れ、参照データ、例外処理が、資料とコードの両方でどう表現されているかを担当者と確認します。
3. 変更前後に試す条件を決める
通常の入力だけでなく、空欄・上限値・権限の違いなど、失敗時や境界の条件も書き出します。AIが作った修正案やテストは、既存の動作と照らして人がレビューし、実データではなく安全な検証環境で確認してから反映しましょう。
AIに任せる範囲と人が確認する操作の決め方は、前日のAIエージェント運用ルールの記事でも整理しています。
明日できること:変更予定の一機能を一枚に書く
機能名、参照する資料、関連する処理、確認するテスト、最終判断者を一枚にまとめます。まずは既存の手順書やテスト記録を埋め、分からない箇所を担当者へ確認するだけでも、AIを使う前の手戻りを減らせます。
まとめ
AIによる既存システムの改修は、資料・実装・テストの関係が見えるほど安全に検討しやすくなります。まず一機能から現状を照らし合わせ、確認できた範囲で試しましょう。
出典:NTT「人が読む既存ソフトウェア資産を、AIが読む開発資産へ」(2026年10月23日)。数値は同社の予備実験で報告された結果です。
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